新築が建ち上がる現場の工事の中で一番私が好きな工程。
それは上棟(じょうとう)です。
上棟とは木造住宅の柱や梁などの骨組みを組み上げ、屋根の骨組みである棟木を取付ける事をいいます。
棟上げ(むねあげ)や建方(たてかた)、建前(たてまえ)とも呼ばれています。
その日はお施主様だけでなく、現場の職人さんや私たち設計にとっても特別な一日です。
朝から気合いと意気込みで、皆ソワソワ、ワクワク。
棟梁や頭(かしら)をはじめ、沢山の大工さんや鳶職さんが手伝いに来てくれて
現場が賑やかに活気付きます。
そして朝からトンカン、トンカンと柱や梁を組み立てる音が響き渡ります。
まだ仮止めの梁の上を、大工さん達が颯爽と歩く姿は、凛々しく、とても格好が良いものです。
皆で協力し合い、声を掛け合い、みるみるうちに家のカタチが現れてきます。
私達設計士は、ただただ安全とご家族の繁栄を祈って固唾を飲んで見守ります。
そして夕刻になる頃には、朝はコンクリートの基礎だけだった所に新しいお家が誕生するのです。
それまでA3用紙の平面図で何度も何度も検討した間取りが、設計者である私たちの目の前に
実際の形となって姿を現す過程を見る事はとても感慨深いものです。
昔は上棟が終わるとご近所さんや工事関係者を呼んで、お餅をまいたり、盛大な宴会を開いたようですが、
現代ではそのような儀式をされる方はほとんどいらっしゃいません。
それでも、おめでたい事だからと略式の上棟式を行う事はとても多いです。
皆で工事の安全を祈り、無事に感謝し、お家の繁栄を祈る。
お施主様と職人さん方が同じ気持ちで直接接することが出来る、貴重な時間でもあります。
鳶職人さんの中には「木遣り唄」といって、お祝いの唄を歌って下さる方もいます。
その歴史ある深い歌声を間近で聴くと、感動と共に、真摯な気持ちになり身が引き締まります。
上棟式は必要ないと全く行わないハウスメーカーも多いと聞きます。
もちろん必ずではありませんが、私はこのような素敵な習慣が必要ないと切り捨てられてしまうのは
少し寂しいような気がしています。
沢山の人の手を借りて、みんなが一つの想いを持って家を造っている。
それを感じるだけでも、とても有意義な一日だと思うのです。
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