ビードの美しさ
2020/04/10 Posted by: カテゴリー:miutoの設計日記,コダワリデザイン
今回はT様邸の階段を製造している工場を訪問しました。
エムズデザインで設計した階段や手すり、
その他金属に関わる造作をお願いしている金属加工会社です。
僕は訪問するのが初めてで、
広大な敷地に製鉄場があり数人の職人さんが仕事をしていました。
階段の段板を載せる部分とそれを支える鉄骨を見せていただいたのですが、
エムズデザインでは図面通りに造られているかはもちろん、
仕上がりの美しさを入念にチェックします。
このときBOSSがチェックした部分は、
規格通りの鋼材か、溶接熱での曲がりはないか、
隅肉溶接部のビードの仕上がりなど。
中でもBOSSは、ビードの美しさが重要と言っていました。
聞いた時には、どの部分なのかと思いましたが、
溶接の仕上がりのことでした。
溶接ビードとはつなぎ目の部分で、
のど厚の均等さや見栄えの均等さなどがあります。
ここの仕上がりの美しさは単に見た目だけでは無く、
溶接のつなぎ目で生じる応力の伝達にも関わってきます。
継ぎ目の厚さや仕上がりにムラがあるとその部分に力が集中、
若しくは力が分散されずに滞りひび割れの原因になります。
このようにエムズデザインでは、物の美しさだけでは無く、
機能美も意識して確認しています。
Bossのビードの美しさへのこだわりは、
安全性の再確認であることがわかりました。
溶接に関して少し調べてみると、
現場溶接ではのど厚の厚みを大きくする傾向にあるそうで、
適切に施行されていないこともあるそうです。
確かに補強部分を厚くすると安全そうに思いますよね。
実際は、厚くなった部分は削り取るなどして適切なサイズにしなければなりません。
エムズデザインを担当をしているNさんがここから少し削る予定と言っていたのも、
見た目だけでは無く、安全を加味した上での発言だったのだなと思います。
このようにエムズデザインは技術力と正しい知識を兼ね備えた職人さんに
支えられていると実感をする訪問となりました。
階段設計の様子はこちら