北欧住宅で使う断熱材
2018/09/03 Posted by: カテゴリー:北欧住宅
この赤い蓋の可愛いバケットに入った材料。
女子スタッフから「この箱、欲しい!可愛い!!」とラブコールが入るほど。
実はこれ、アルセコというドイツ製の断熱材と外壁の塗り壁の材料なのです。
北欧住宅で使用する断熱材は、デンマーク製やドイツ製を使用するのですが、
いま手がけている住宅ではドイツ製のものを選びました。
この断熱工法は耐火性に優れたロックウールを使用した
内断熱+外断熱のW断熱システム。
ロックウールとは天然の岩石を原料とした100%不燃のミネラルウールで、
防火性、撥水性、吸音性に優れた断熱材です。
北欧やヨーロッパではこの高い防火性を認められた
ロックウールなどのミネラルウールが、断熱材のシェアを大きく占めます。
2016年の中国で起きたビル火災や
2017年にロンドンで起きたタワーマンション火災などの教訓から、
世界の法律は防火性のある断熱材を使用するよう変わりつつあります。
ロックウールは鉱物繊維のためアスベスト(石綿)とイメージが似ていて、
発ガン性を心配されるかもしれませんが、
両者の単繊維の大きさは数十〜数百倍も違い、
WHOの下部機関であるIARC国際ガン研究機関ではお茶などと同じ、
ウレタンなどよりも更に安全な
「発ガン性に分類しない」グループに区分されています。
ちょっと難しい話が続きましたが、
私たちがロックウールの断熱材をお勧めする理由は
これらの高い機能性だけではありません。
外壁は左官と専用の塗料で仕上げるのですが、
その豊富な色合いと美しさはさすがドイツ製と唸るほど。
また塗り壁はヒビや汚れが気になりますが、
こちらは非常に硬い染料で温度変化による伸縮もほとんどないため、
割れにくく、雨で汚れの落ちるセルフクリーニングの機能を持ちます。
海外で目にするような塗り壁の家には、
日本で多く見られるサイディングにはない質感の美しさがあります。
その質感は時が経つと、味わいに変わっていくのです。
石目風、タイル風など、〇〇風が得意な日本の住宅。
何かの真似ではなく、
素材そのものの質感が美しい家を私たちはいつも目指しています。
コテを片手にカッコつけているのは職人さんではなくて、店長の松原。