平らな敷地から見えるもの
2019/05/08 Posted by: カテゴリー:Genba Diary
こんにちは、小笠原です。
先日、季節外れの寒さの中、
新築予定地の現地調査に行ってきました。
この土地の半分には計画道路が通り、
残りの半分の敷地にこれから新築を建てる計画です。
何もない平坦な敷地を見て、
何がわかるのかなと思われるかもしれません。
いえいえ、新築の現地調査で確認することは意外と沢山あるのです。
まずは、方角や道路の向き、近隣の建物の様子などを確認。
それからもっと具体的に、
隣地境界の杭の有無や排水経路や水道管の経数、
車のアクセスの仕方などなど、調べる項目は多岐にわたります。
さらに今回は敷地と周りとの高低差が大きいので、
擁壁の作り方や高さ関係も念入りにチェックします。
と、ここまでは一般的な最低限の確認事項。
それらを調べた上で、
私達はもっと深くこの土地の持つパワーのようなものを探ります。
五感を研ぎ澄ませて、風の流れ、この場から感じる空気感、
一年を通した陽の入り方など。
見える情報だけでなく、肌で感じる感覚を感じ取ります。
実はここ、
ここがエムズデザインが一番大切にしているところかもしれません。
技術的な事はもちろん、お客様のご希望と同時に
この場に一番合う家の在り方を考えることが重要なのです。
そうしていると、リビングはこちらの向きに、風はこちらから抜こうなど、
自然と家のあるべき姿が見えて来ます。
それなので、私たちの住宅設計には基本プランというものがありません。
お客様おひとりおひとり、その場のひとつひとつによって
出来上がるものはもちろん違っていて、
同じ間取りを当てはめる事などありえないと考えています。
こうして法規的、技術的、感覚的な側面を考えてつくられた家は
まるでずっと前からそこに建っていたかのように、
自然でとても過ごしやすいお家になるのです。
何年か前に工事を行ったお客様から
「あれからずっと、本当にこの家が大好きです!」
とお声をいただく事が何よりの幸せ。
そんなお声を頂くために、
今日も私たちは平坦な敷地に色々な夢を繰り広げます。