初めての上棟
2019/11/27 Posted by: カテゴリー:Genba Diary,miutoの設計日記
先日、僕は初めての上棟に参加しました。
上棟とは家の躯体となる柱や梁を組み立てていく作業になります。
今まで基礎しかなかったところから一気に家の形が出来上がる、
いわば「家が誕生する日」で、
「何度経験しても感動する」と先輩方が口を揃えて言っているのを聞いて、
朝からワクワクしていました。
今回僕は上棟スタッフとして現場に入り実際に柱などを立てる作業を手伝いました。
柱を立てるときは、土台に書いてある番号を参考に、指定の位置に柱を入れていきます。
番号は数字といろは唄の組み合わせで作られており、
普段いろは唄を聴き慣れていないので、
柱の場所を探すときに最初は戸惑ってしまうことがありました。
しかし、急がなければなりません。
それは夕方までに全ての躯体を完成させなければならないからです。
基本的に上棟は、1日で棟木という屋根を支える梁材を取り付けるところまで行います。
ちなみにこの棟木が一番最後に上がるので、「棟上げ」と呼ぶこともあります。
こちらの家は、三階建てのスキップフロアになっているため、
通常よりも構造材の材料が多く、また梁の大きさや高さなども場所によって色々と複雑です。
その分、柱の受け渡しの回数が多く、木材も大きいものもあり、とても重く感じました。
また、学校で習った材の加工や使用されている金物などを間近で見ることができ、
勉強した事を実感できるとても良い機会となりました。
このたった一日で、たくさんの情報や知識を得ることができ、
更には職人さんの熟練の技術も目の当たりにして、
頭と体をフル回転させながら食らいつくのに精一杯でした。
無我夢中で作業をしていたら、暗くなる頃には家が形になっていて、
各部屋がイメージできるほどに。
その立ち上がった躯体を見上げて、何だか感無量な気分になりました。
まだ家が完成しているわけではないのに、微力ながらも設計の段階から携わり、
申請など慣れないながらも行ってきた日々のことが
走馬灯のように頭の中を駆け巡っていました。
ああ、これが先輩たちの言っていた感動体験なのだろうか。
一つの大きな集大成に立ち会えてよかったと思いました。
きっと僕にとって忘れられない日になるでしょう。
上棟した家の姿は、お客様にとって初めて見る家の姿になります。
今まで打ち合わせを一緒に行ってきて
長い道のりを共に乗り越えた1回目の集大成になると思います。
できた家の中を設計チーフの小笠原が、案内して回りイメージなどを話していました。
キッチンや寝室、子供部屋など形ができてからだと具体的なイメージがしやすく、
お客さまは感動してくださった様子に見えました。
また、それと同時に、
このお客さまが実際に生活している姿が自然と想像ができました。
上棟した家とお客様が溶け込むように馴染んでいるからこそ、
このような想像ができたのだと後で思いました。
建物に合わせなければならない建売住宅と違い、
自分の生活に合わせた注文住宅だからこそ、このような想像ができたのだと思います。
これは個人的な意見ですが…
そんなことを感じながら上棟式の準備も終わりました。
地鎮祭のように上棟式と言われる儀式が行われます。
今では地鎮祭同様、行うことが少なくなってきている儀式にはなりますが、
棟上げを祝い、感謝、安全祈願を意味する大切な行事になります。
上棟式の中には、地鎮祭と類似する儀式があますが、
木遣り(きやり)と呼ばれる上棟を祝う歌があり、
地鎮祭とは大きく違う部分になります。
僕は、この木遣りを今回の上棟で初めて聞くことができました。
お祝いの歌なのですが、地鎮祭の時同様、厳粛な気持ちになりました。
歌の具体的な説明は少し言語化が難しいので、気になる人は調べてみてください!
今回も初めて尽くしで、とても勉強になる1日でした。