気密検査の成績発表
2021/02/10 Posted by: カテゴリー:Genba Diary
気密検査の成績発表
以前、新築を建てているK様から次の文章と共に
ひとつの動画がメールで送られて来ました。
(※最後に検査結果の動画があります。)
「お世話になります。
C値は林さん、小笠原さんらエムズの想いを信じてと思ってました。
数値化していただき、その想いを測定器の液晶画面で目の当たりにしました。
お礼をこめて…」
これは、現場で行なっている気密検査の様子を偶然居合わせたお客様が撮影し、
その結果に感激し、ご自身で編集されたiMovieを送って下さったものでした。
C値とは気密の精度を表すもので、家全体の隙間を現地で測定し、
延床面積で割った数値になります。
つまり、この数値が小さければ小さいほど、隙間の少ない、
気密のしっかり取れた住宅という事になります。
以前、国の基準で決まっていた数値は 5.0 ㎠/㎡。
基準といっても、これはあまりにも性能的に甘いレベルで、
現在の一般的な基準では、悪くても 1.0 ㎠/㎡以下は目指したいところです。
しかしハウスメーカーなどの鉄骨住宅などは性能的に良い値を出しにくいため、
あまり気密やC値に関して言及しないところが多いのも事実です。
そもそも、気密性能が悪い = 隙間が多い と何が良くないのでしょうか?
・隙間が多いので、どんなに暖房で室内を暖めたとしても、熱が外に逃げ続けてしまう。
・隙間から空気が漏れ、換気設備を付けていても、計画通りの適切な換気が行われなくなる。
・高性能の断熱材を使用していても、空気が漏れる事によって局所的に温度差が生じ、
壁体内の結露やカビの原因になる。
このように気密とは、断熱と共にとても大切な性能となります。
ただし、この数値にとらわれすぎてバランスを欠いてしまうのも考えものです。
やっきになって数値ばかりを追い求めてしまい、「C値〇〇㎠/㎡の住宅!!」と、
全体の性能ではなくC値だけがクローズアップされている例も多々見かけます。
大きく謳ってはいませんが、適切で優れた気密性能をとることは、
私たちには当たり前のこと。
気持ちよさを追い求めて丁寧に仕上げた結果が、自然と数値に現れるのです。
さて、気になる冒頭のK様邸のC値は…
「0.4 ㎠/㎡」
これは、値ではなく私たちの想いなのです。