何年も前に工事をしたお客さまからの電話は一瞬でその時代へ戻してくれる。
まるでテープレコーダーを逆再生するみたいにキュルキュルキュルっと。
あ、これは若い人にはわかりにくい表現かもな。
ぼくの携帯電話番号は、今にくらべると超大型だった携帯電話全盛期の030から始まる電話番号で、もちろん今でもその番号を使わせてもらっているわけで、ときどきその時代のお客さまからの電話が鳴る。
その時ぼくはちょうど実家で母と会話している時だった。
「久しぶり〜」と明るい声をかけてくださったお客さま。
その瞬間、その方のご家族全員の笑顔がパッと蘇った。
ご用件は、昨年お子さまたちが独立なされたので主寝室を広々とさせたい、とのことだった。
嬉しい。ただただ嬉しい。
新しいお客さまとの出逢いはとても嬉しい。ありがたい。
しかし、それと同じくらい昔のお客さまとの再会はとても感動する。
新しい物語りはいつも突然降りてくる。
古くからのお客さまの新しい物語り、
ぼくはそれを求めている。いつも、いつも。
その感動が欲しいから、日々新しいお客さまに出逢っているんだとも思う。
あの頃からぼくは成長しましたか?
ぼくはその成長を知ることで、またこの場所から進める気がします。
すべてに感謝。
すべての出逢いに、そして新旧すべての新しい物語りに感謝。
投稿者: 2017年9月2日|パーマリンク
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