明治神宮で破魔矢(守護矢)を頂き、今年当てる的に向けて弓を引く。
射る先はいくつも表われるが、欲張らず的はとっくに絞り済み。
さっそく息をとめてみた。
あれからテープレコーダーの逆再生は頻度を増し、それは、ぼくはどこかに連れて行かれてしまうのではないか?と感じるほどになった。
ぼくにとって昔のお客さまは、あえて失礼承知で申し上げるなら、共に将来を語った同士のよう。
そんな夢を語りあった大切な同士から、時には日に二方から電話が鳴ることもあり、都度新しいご相談を頂いた。
とにかくそれは幸せなことで、我々のような仕事は、毎月買いに来てくれる常連さんがいるわけでなく、そのような形のお付き合いはもちろん皆無であり、本当はちょっとそんな頻繁なお付き合いにも憧れるのだが、逆に久しぶりに声が聞けて、なおかつお目にかかれるとなった日の感動は、もしかしたらこの上なのかもしれないとも感じた。
お客さまは皆、本当にお変わりない。とにかくポジティブ。
ぼくにとって皆さまがポジティブで元気でおられることはそれはそれは嬉しいことで、喜びの度を超えて、自らを見つめるきっかけになり、そして戒めにさえなる。ありがたいんだ。
お子さまがいらっしゃるご家庭では、いつも笑顔を振りまいてくれたあの子があの当時の面影を残しつつ、時を超えたのでは?と思うほど立派に成長された姿に出逢う。そしてそのときに見える、子を見つめるご両親の微笑みは、あの当時とまったく変わっていない視線。そこに愛が溢れ続けているんだということを感じてぼくはとても安堵する。
ぼくは、この家には幸せが住むと確信した。
ぼくらは家を造り上げただけだけど、そこに愛と幸せを育て造り上げてくれている気がして、こちらも失礼極まりない言い方だけど、とてもありがたく感じてしまうんだ。
ぼくは人それぞれの様々な生活スタイルと面会をする機会が非常に多い仕事だが、その暮らし方の中に、なぜだかまったく同じものを感じることが多い。
何というか、一言でいうのはとても難しいけれど、皆がとても大切にしていること、それは「時間」ではないかと。
それは誰もが感じていて当たり前のことなのだが、そのような単純なことではなく、時間というその価値にリスペクトすらして、それを大切にし、楽しんでいるような、洗練された時間を過ごしていられる気がするのだ。
時間に追われるのではなく、時間を楽しむ。
もちろん追われる時間もあるだろうけど、それをもご自分にincludeしている感じ。
ひとたび携帯電話が鳴り、そこに表示される大切な方のお名前を見たとたん、ぼくは背筋が伸び原点回帰する。
ぼくにとってこの大切な方は、ぼくが駆け出しの頃、そして、まだまだ甘ちゃんだった頃のぼくに戻してくれる唯一の宝。
日々繰り返される新たな出逢いも、いつかはこの宝になる。それは必ず。
だからこそぼくは沢山の思いを巡らせながら本当の意味でのオハナを実践する。
ぼくらを本気で大切にしてくださったお客さまを、ぼくらはもっともっと何倍も大切にする。
そう、家族はいつもそばにいるのだ。
昨年から大変多く昔からのお客さまからリピート工事のお声を頂いておりまして私たちはとても驚いておりました。もしかしたら、これを読んでくださっているかもしれませんね。
感謝です。心から。
これはとても幸せなこと、そして我々建築士の冥利に尽きます。
私は毎年この時期に初詣に行き、家族やスタッフ、そして大切なお客さまの健康と繁栄に掌を合わせることで自分を見つめ己を創りだしています。これは私にとってとても大切かつ必要な時間です。
今年も素晴らしいお客さまとの良き出逢いに胸膨らますとともに、昔のお客さまとの笑顔の再会を祈ってきました。
テープレコーダーの逆再生 のブログです。