わからないことはその筋の専門家にお願いするというその方のスタンスは、ご自身が人の生命に関わる専門的なお仕事に就かれているからこそなのかもしれない。
1度目のご依頼は7年前。
その時のご希望は、とある国のある雰囲気がお好きと語られた。
しかし希望はそれのみ。
そのあとは「すべてお任せで…」の一言。
ありがたい。
ぼくは、キッチンに立たれたときにリビングで過ごす子供たちがどう見えるか、子供たちまでの動線やパントリーへの歩数、それに面積比率、、、etc.
ベッドルームでは部屋の一部を書斎化したホテルのスイートルームを見習うレイアウトなど、あの国の5つ星ホテルを感じられるよう、質感や照明配置、そしてカラーバランスを整えた。
おかげさまで、完成後はとても気に入ってくださって、7年経った今でも、昨日完成しました!と言っても良いほど美しく使って頂いている。
2度目のご依頼は、ご子息の、小学生ご入学のための机づくり。
本物を使う、というぼくのコンセプトに賛同してくださって、ウォールナットの無垢材で学習机をつくった。これは一生物。
そして3度目の一昨年、
「せっかくの一軒家、前回手つけずだったお庭づくりを…」とご依頼。
子供が小さいうちに、なるべく色々なことを家族みんなで楽しむ時間をつくりたい、というご希望に、いくつかのアイデアをご提案した。
メインは、ウッドデッキ&駐車位置の整備。
ご提案のイメージは前回と同じく使用材料の質感を重視しながら、そのデザインから豊かな暮らしを感じられるようにし、インテリアのグレード感とのマッチングを第一に考えた。
今回使用したウッドデッキ材は、材木にうるさい “とある筋” から取り寄せた上質のもの。
図面には、ウッドデッキの設計図にしてはかなり詳細まで施工指示を書き込んで、植栽のグリーンとの調和が美しくなるようデザインにした。
他には、駐車スペース、および門柱とゲートの位置を変更して、奥さまが容易に運転できるようにね。
極めつけは、お兄ちゃん専用のバスケットボールゴール。
5歳になる娘ちゃんが、立派になったお兄ちゃんと一緒に安全に、かつ近所迷惑にならないように遊べる場所を確保した。
これで完成!
そして、4度目の今回は、
来年一年生になるご息女のお部屋を、、、
見えているのだ。
明らかに見えている。
ご自分の子供たちには何が必要で、その時代に必要な事柄をかなり遠くから見つめていらっしゃるとしか思えない。
遠くにあった未来は現在(いま)になり、
この先の遠い未来を見据えることでその時が訪れたらすぐに対応できるよう前もって準備をしておられるのだ。
今回お便りをいただいたとき、ぼくはこの依頼をご夫婦で話し合いされている姿がはっきりと目に浮かんだ。
ご自身の未来、愛する子供への思いと共に、それは、欲しい未来にいま何をすべきなのかということなのだろうか。
将来欲しいことを明確にイメージし、瞼をこすってそこを見る。
そしてそこに見えた姿は、確実に得られることなのではないだろうか。
投稿者: 2019年8月9日|パーマリンク
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