謹賀新年
昨年も大変お世話になりましてありがというございました。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
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温かなゆりかごの中で
年始、母を誘って横浜に中華を食べに行った。
行く途中の車中での会話は昔の横浜、あれやこれや…
母は久しぶりの横浜に思いっきりワクワクしてくれた。
そんな道中を経てレストランに着き、お食事が始まるやいなや今度は、
「美味しいね〜美味しいね〜」の連打、
妻はただ、うんうん、と相づちを打ち、娘は好物に舌鼓を打ち、息子は珍しさに膝を打った。
ぼくは皆のその顔を見、嬉しくて幸せで、心打たれた。
食事の後、せっかく母と横浜に来たんだからコスモクロックに乗ろう!とぼくが言った。
今の時代、もしかしたら車いすでも観覧車に乗れるんじゃないかな?と調べたら、やっぱりOK!
八十〇歳の母は、迷惑がかかるんじゃないかとめっちゃ躊躇するが、電話してみたらまったくもって大丈夫、ぜひ来てください!と言ってくださった。
チケットを購入したら長蛇の列をなしている乗り場の横を抜け優先搭乗させてくれるというが、何とも申し訳ない。
ぼくは車いすを押しながら小声で何度も、すみません、すみません、すみません、、、、と言い続けた。
乗り込んだゴンドラは思ったより快適で車いすほか四人が乗っても余裕で、かつ観覧車のネオンの灯りがとても近く美しくて居心地がいい、そしてすぐ、一瞬にして世界が変わって行った。
上空から見るみなとみらいは冬の澄んだ空気の中煌めきを放ち、まさに港横浜!
しかし母の記憶にある昔とはまったく違っていたらしく、盛んに回りをキョロキョロして自分が知ってるマリンタワーや氷川丸を探していた。
子どもたちも大はしゃぎで、と言ってももう大人だけど、じっとしながら映えるぼく(笑)と母をいっぱい撮ってくれた。
そんな母にとっての新しい横浜の夜景を見せてくれたゴンドラも終盤に近づくと、ゴンドラ内に放送が入った。
”もうしばらくしたらゴンドラが停止しますが、故障ではありません” と言ってくれている。
母を下ろすために、このすべてのゴンドラを停めてくれるのだ。
確かに乗車する時にもゴンドラを一度停めて、車いす用のスロープを取り付けてくれてから乗車した。
乗るときももちろん、ありがとうございます、と思ったけど、今この放送を聞いたら、この美しい夜景を母に見せてくれたこの場に居る皆さんに、言葉にならない感情が押し寄せ、感謝の気持ちが溢れた。
帰り、コスモワールドの出口を出て橋を渡る途中、
海側から吹く冷たい風をよそにぼくは、
「今夜はそんなに寒くなくて良かった」とみんなに言った。
いや、寒いのだ。
ぼくらが寒くなかったのはあの温かなゆりかごに乗せてもらえたから
この沢山のゆりかごは全部温かい
それぞれ違う境遇の人たちが笑顔で楽しみその時間を温めている
ぼくらはこの場に居る人の優しさに触れられたから、今、家族皆が温かく感じられているのだ。
人は一人で生きているのではない、
どこの誰と知ることのできない人にさえ支えられて生きている
自分が得ることができた幸せの感情は、誰かがもたらしてくれたから
ぼくは橋のたもとで車いすを押す手を止め、もう一度観覧車を振り返り、さっき乗った60番と名が付いたゆりかごに、目を瞑ってお礼を言った。
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昨年も沢山の素晴らしいお客さまに恵まれました。
私たちを家族のように迎えてくれて、お客さまという枠を超えて、人として本当にステキだなと感じる方々に出逢うことができました。
そして、そのお客さまの願いを叶えるべくステキな仲間にも恵まれ、
人と人との不思議な出逢い、そして友情に恵まれた一年でした。
ぼくは思いました。
ぼくの人生がこんなにも幸せで美しいのは、
愛するスタッフが居てくれるからなんだと。
ぼくにとっての幸せとは、
お客さまはもちろんのこと、そして家族はもちろんのこと、
大切に思える人がずっと側いてくれることこそが、ぼくにとって最大の幸せなのだと。
元旦
初護摩を頂き、初詣をし、今年の準備を整えました。
新しい時代
NEW ERA of ms Desgin
林 正晃
投稿者: 2022年1月5日|パーマリンク
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