誰もが皆、仕事ができる人と一緒に仕事がしたい、
ぼくも若い頃、例にもれずずっとそう思ってきた。
しかし一方で、
仕事ができるってどういうことだろう?
仕事の成績ってどう捉えるのだろう?
そういろいろ考えた時代もあったけど、ふと気付いてからは、単純にそういうことじゃないんだ、ということにも気付けた。
それからは、仕事のみならず、人としての様々な考え方を学ぶことが多くなった。
徐々にスタッフが増え、少しずつだけどぼくが親鳥への階段を上り始めた時、仕事としての知識や技術の向上だけでなく、上司として足りぬ人間にならぬよう、考え方や哲学を学ぶことが必要だと何故か自然に思うことができた。
片っ端からその手の本を読みあさり、その上で親鳥の役目は?と考えたとき、子ども達に何を与えなければならないかだけでなく、共に成長していくこと、その術を学ぶこと、そして親鳥のエゴで事を伝えることを避けるため、常に『これは自分のエゴではないか?』と注意すること、
そしてその子と共に人生(鳥生?)が楽しく幸せに過ごせるよう、まだまだ少なく甘い経験かもしれないが伝えていきたいと思っている。
今日、一羽の小鳥が卵から孵化した。
新卒入社第一期生 mu 建築士試験合格
彼を温めてきた親鳥たちは耳を澄ましてその殻の割れる音をそっと待っていた。
本当に優秀な仲間と共に仕事ができている今、顧客はもちろん、仲間を思い、関係業者を敬い、宅配屋さんやご近所まで気を遣うことができること、
これは人として、そしてこれこそが”建築士”という称号にふさわしい優秀な人材なのではないだろうか。
彼の素直さ、優しさ、純粋さに、仕事を憶えたくて無我夢中で働いていた若き日の自分を重ね合わせたとき、彼が持つオリジナルの輝きをどう出してあげるかを考えていかなければならないと思った。
目を瞑りふと彼の未来を覗いてみると、新卒入社の後輩たちを笑顔でバリバリと指導している姿が目に浮かぶ。
いや、もう既にそう活躍しているからこそ、この素晴らしき称号が授けられたのだろう。
おめでとう
卵が孵化するとき、人の一生が決まる。
ぼくは君のその瞬間に立ち会えた幸せに感謝する。
*私の好きな「建築士法」
建築士は”品位”を保持しなければならないのです。
第二条の二
建築士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、建築物の質の向上に寄与するように、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。
・ある夏の日のパリ 頭の上に鳥さん
投稿者: 2022年2月18日|パーマリンク
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