Monthly Archives: 1月 2024

*このblog記事は<エムズデザインニュースレター2023年 冬至号 Vol.46>に掲載したものです。
 
 
この度、東京都教育委員会の「令和5年度都立高校生の社会的・職業的自立支援教育プログラム事業」で、都立高校の生徒さんに向けて、社会人として講義をさせて頂く機会を得ました。
 
内容は、”建築士”
生徒さんが将来の進路を選んで行くにあたり、いろいろな職業の中から私は建築士の仕事をお伝えするということでした。
本機会をご提供くださいましたご関係者方々に心より感謝申し上げます。
 
 
建築士
 
建築士の業務内容は一言で語ることはできないほど多岐にわたり、すべてを語ることは到底難しいし、まだぼくも知らない業務などもあるのかもしれない。
それゆえに、建築に少し興味が出た生徒さんがネットで調べればすぐ出て来そうな内容ではなく、一般的にはあまり知られていない、かつ文章じゃ伝えづらい、いわゆる生の声でお話しができれば、と考えた。
以前、国立大学の講義では、”建築学科の生徒さんのみ”という、ある意味、将来の道がある程度決まっていた生徒さん達へのお話しだったから、専門的分野を分けてかなり深掘りした所までを語ったが、今回は高校生で、その上、未だ”建築士になる!”と決めたわけではない、言い換えれば、まだご自身の未知すぎる未来を、どのようにして行きたいかがわからない生徒さんがほとんど、という場の中で、建築士という仕事を伝えていくこととなった。
 
それならば、とぼくは、
まず、堅苦しくならず、単なる説明にならず、建築士はいいぞ〜!建築士になれ〜!と押しつけず、この”建築士”というちょっと堅そうな雰囲気をできるだけ柔らかく、今までの経験から具体的に良かったこと&辛かったことと共に、ぼくが得意な”デザイン”の話、そしてこの家づくりの仕事のイメージを、キラリと光る何かと一緒に伝えられたらいいなと思った。
そして、それに併せて、
ぼくが常々生涯をかけて子供や若い人たちにお伝えしていきたいと思っている、
「仕事は楽しい、そして大人になることはとても素晴らしい」ということを織り交ぜながら、物語仕立てにして話すことにした。
 
一ヶ月ほど前、
ぼくはまずシナリオを考えた。(笑 かっこつけてみた)
 
まずは、ぼくが伝えたいことを書き出してみると、大凡、制限時間には収まりきれない長編になってしまったので、それを章立てにして四部構成にしてみた。
単にぶつ切りにしただけでなく、起承転結でもない、物語を小説で読むような感じ…というか、
そうしたら、思ったより良くなって、これで行こう!とすぐに決まった。
 
このプログラムでは様々なご職業の方とご一緒させて頂いたのだが、建築士はぼくのみで、その職業の中から生徒さん自身が興味のある講義に参加するという形式だった。
なので、生徒さんは現段階で既に建築士を目指している人はもちろん、ちょっと興味ある…や、なんとなく見てみるか…、など、その興味度数にはかなり差があると思っていたのだが、こちらに来てくれた生徒さんは皆が大きな興味を示してくれて『今の子ども達はとても素晴らしいな…』(オッサン言葉)と心から感じた。
だからこそお話しも、ちょっとノリ気味で話せたのでぼくとしてもとても楽しい時間が過ごせた。
内容はここに書くと恥ずかしいから、タイトル+ちょっとだけ…
 
1,”建築の面白さは、あなたの面白さ”
 Title  “好奇心を追求しよう”
 
2,”デザインへの旅”
 Title  デザインの魔法を解き放とう”
 
3,”人気もの”
 Title  選ばれるデザイン、選ばれる人に成る”
 
4,命を預かる建築士という仕事”
 Title  ようこそ、未来の建築士さん”
 
 
1,は、建築とは、から始まり、建物や資格の種類、そして職務の種類から、知識や技術を取得すると、どうなるのか?そして自分の良さを発見する方法などを話しました。
2,は、デザインをどう起こしていくのか?や、それをどのように造るのか?という説明、またCADや立体の3D画面をPCを使って動かしたり、製図道具や実際の図面やパースを生徒さんに見てもらいながら具体的にお話しをしました。
3,の、「選ばれるデザイン、選ばれる人」の話では、相手が必要としてくれる人になる、というお話しをしました。
4,では、私の一番好きな、建築士法第一章・第二条の二(職責)、についてのお話を。強調したのはもちろん、常に品位を保持し… という所。
そしてその上で私が思う、建築士として必要なこと、と、人として必要なこと、を二本立てで、お話ししました。
 
 
 
 
ぼくは子供のころ、早く大人になりたかった。
大人になれば今起きてる辛いことが全部無くなると信じていた。
毎日が嫌で嫌で、引き篭もって音楽を友とし、今思えば、世の中に順応しづらい子供だったと思う。
家族はそれを知っていたようにぼくを心の底から愛(め)で、可能性あるものすべてを許してくれた。
しかしある朝おばあちゃんが亡くなった。
そこからはぼくの味方になって支えてくれていたおばあちゃんと一緒に居なくなりたいと思う日々が続いた。
母はその都度ぼくを抱き、本堂で大きく温めた。
見失った自分の欠片を一つ一つ合わせ始められたのは、それからしばらく経ってからだった。
全く未来が見えなかったあの少年時代を経ていつしかぼくは大人になり、未来が透き通って見えるようになったと気付いたある日、目の前の空が遠くまでずっと晴れ渡って見えた。
 
 
 
ぼくがこのblogを始めると決めて最初にタイトルをつけるとき、
生涯に亘って続けていく、ぼくの中での約束のようなものにしたいと思った。
 
 ” Children’s Record “
 子供達に普通のオッサンが残してあげられることはないか…
 少しでも、子ども達の心にレコードされてくれれば…
 
そんな思いから、このタイトルをつけた。
ぼくには今、二人の子供が居る。
もう二人とも大人になってしまったが、それはそれは、一言では言い表すことができないくらい大きな幸せを感じている。
その上で生意気なようだが、我がスタッフの家族、子供たち、そしてオハナであるお客さまの家族、お子様たち、出逢う子みんながぼくの子供のように思えてしまうんだ。
 
 
大人になった今、
あの日のぼくに声をかけるとしたならば、、、
そんな思いで教壇に立ったぼくは、こんな言葉で今回の講義を締めくくった。
 
 
「仕事は楽しいものなんだ! ワクワクして楽しんで欲しい、
 そして何より、大人になることはとても素晴らしい事なんだ!
 ということを感じてほしいと思っています」と。
 
 
林正晃
 
 
 
 
IMG_6475_0
 
IMG_6477_0
 
IMG_6476_0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
投稿者: hayashi 日時: パーマリンクLeave a commentトラックバック

2024年 甲辰 

一月一日夕方、穏やかだったお正月が一変して驚き、恐ろしさ、悲しみ、と繋がり、明くる二日には羽田空港での事故が続き、おめでとうなどと言ってはならない気持ちに一気に変わった。
 
能登半島地震により被災された多くの方々とご家族ご親族の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
被災地の一日でも早い復興と共に、被害に遭われた方々の生活が何よりも早く平穏に戻りますことを心よりお祈り申し上げます。
 
 
年の暮れ、ぼくは「こんな幸せな年越しはないな… 」と忙しくもありがたかった一年を振り返りながら一人本堂で掌を合わせた。
 
娘はFinishさせた仕事を大いに喜び、息子は冬休み中にも関わらず珍しく家にいて、入院していた弟は無事退院し、母は年の瀬の祭事に向けて妻と書き物をしていると、そばで犬のソフィーはガラス越しの暖かな陽射しに目を瞑りムニャムニャムニャ、インコのフーちゃんはそれを「わ〜っはっはっは、わ〜っはっはっは、」と大きなこえで笑い、家族皆の笑いをとった。(うちのインコはおしゃべりも笑いもする)
そんなこんなで、年越し間近な引き篭もりLOVEなぼくはノイズキャンセリングヘッドフォンでFavorites音楽を聴きながら家の掃除を少しずつしたのだ。
 
スタッフ皆もそう、
今年も皆が無事に年を越せているということがどんなに幸せな事なのかと、こんな災害の後にあらためて考えると心からありがたいと感じる。
 
そして、新築注文住宅、大規模リノベーション、そして細やかなリフォーム工事と、
私たちを必要としてくれる方々に出逢えた幸せ。
そう昨年は、本当に沢山の方との新しい出逢いが嬉しかった。
 
ぼくはいつもこう感じてしまうよ、
ぼくらエムズデザインが手がけていく家が段々完成に近づいていくと、とても嬉しい反面、少しだけノスタルジックな気持ちになってしまう。
自分で言ってしまっておかしいし恐縮だが、私たちがつくるとんでもなく素晴らしい家が完成の坂道を登っていくと、本当に美しいオーラを放っていくのを感じるんだ。
そしてそれと逆行するように、もうこの現場も終わってしまうんだな…とお客さまと一緒に歩んできたこの坂道を振り返ると、どうしても胸がキュンとなってしまう。
出逢った頃に交わした会話、打ち合わせでの満面の笑み、赤ちゃんだったお子さまはいつしかお姉ちゃんになっていたり。
季節は移り、時はいつも一瞬なのか?と錯覚する中、数々の想い出が8㎜映画のワンシーンのようにカタカタと音を立てながら溢れ出、それを追いかけるように温かな気持ちが蘇ってくる。
 
「私たちは、あなたの事が好きです。」と伝えると、
お客さまも同様のお言葉を返してくださる。
 
こんな会社はあるだろうか?
これはぼくが物事をハッキリ言いすぎるからか?
こんなハウスメーカーは、こんな住宅屋は、こんな設計屋は、他にどこにあるのだろうか?
 
 
 
 
2024年、今年私たちエムズデザインは、コロナウィルスのパンデミックで控えていた催しをあらためて開催して行こうと考えています。
 
_____________________________
 
1,「住まいづくり勉強会」
 *家づくりを考え始めた方、具体的には決まっていないけれど色々と知りたい方へ向けて。
 
 ・新築注文住宅
 ・リフォーム、リノベーション
 
<場所>
  所沢事務所 オハナラウンジ
 
<日時>
  毎月、第二、第四、土曜日 AM, PM, 
  ご予約制につき、ご相談くださいませ。
 
_____________________________
 
2,「住まいづくり無料相談」
 *新築・リフォーム問わず、一度話を聞いてみたい方へ向けて
  (お悩み相談)
 *まだエムズデザインに依頼すると決めていない方へ向けて
  (どんな会社なのかを知るために)
 *一度話を聞いてみてから調査等の依頼をしようか判断したい方へ向けて
 
 
 ・新築注文住宅
 ・リフォーム、リノベーション
 
<場所>
  所沢事務所 オハナラウンジ 
  原宿事務所 R&D 表参道設計室
<日時>
  随時 ご予約制につき、ご相談くださいませ。
 
_____________________________
 
3,「完成現場見学」、「着工中、構造工事中の現場見学」など
 *エムズデザインが作った家を、作りかけの家を見てみたい方へ向けて
 
_____________________________
 
 
 
 
 
お楽しみ企画としては、
1,aha aina(アハアイナ)
 既存のお客さまをお迎えして、マハロでアロハな笑顔のパーティーをいつも通り。
 
2,デンマークHygge (ヒュッゲ)、イタリアAperitivo(アペリティーボ)など、
 好きな音楽を聴きながら(リクエスト承り)楽しもうと思っています。
 
 
 
年明けから明るいニュースが少ない中、私たちエムズデザイン一同は昨年にも増してオハナの皆さんが幸せな毎日を過ごせるような活動を行っていきます。
そして社員一同はすでに、未だ見ぬステキな方との新しい出逢いにワクワクと心躍らせています。
今年、エムズデザインは創業35周年を迎えます。
まだまだ微力ですが、私たちは本当の豊かさとこの上ない幸せをGIVEできると信じています。
 
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
林正晃
 
 
 
 
 
 
 
 
元旦 快晴の早朝より、毎年恒例行事を常務と。
IMG_7264
 
 
 
 
 
 
 
 
 
投稿者: hayashi 日時: パーマリンクLeave a commentトラックバック