「この部屋をつなげて一つにすれば、リビングがかなり広くなる」
はじめは、そんなプランもあった。
ある日
「8畳の和室はリフォームしてこの場所に残したいんです。」
ちょっと訳ありそうにご主人が言った言葉にぼくは反応し、手をとめた。
「もしよかったら理由をお聞かせ願えますか?」
ご主人は、少し沈黙したあと、 おもむろに答えました。
「入院している母が帰ってきたら、ここに帰してあげたいんです。」
しかし先日のお話では、お母様が帰って来られる可能性は、極めて低いとのこと。
「帰ってきたら、ここでやってあげたいんです。」
溢れ出しそうになった僕は、天井を見つめ、
すこし震えた声で、
「・・・かしこまりました。」としっかり答えた。
お子様が二人の4人家族。
もちろんこちらも めちゃくちゃ「家族仲良し仕様!」
ぼくは思いました。
この子供たちが大人になったとき、いま、ご主人がお母様へおこなったこの思いと同じ事を、
必ずするだろうと。
ご主人と奥様の思いは、この子たちに必ず受け継がれるだろうと。
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投稿者: 2008年12月5日|パーマリンク
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