Author Archives: hayashi

*忘れないために書かせてください。
 
 
いらない命などありはしないが、
どうして必要な物を奪うだろうか。
出来事には理由があると言うが、
なぜ絶える必要があるのだろうか。
いつも近くにいたわけでもなく、
支えてくれていたわけでもない、
酒豪の先輩にとってぼくは飲む相手にもならない、使えないヤツだったはず。
 
いつも思い出すのは、あの若き日の夏。
大滝詠一のA LONG VACATION を聴きながら、薄っぺらいビーチサンダルを履き、
南伊豆の民宿で、女の口説き方と、シャコタンの仕方を教えてもらった。
そんなアドバイスはその後すぐに、まったく役に立たないものだってのがわかったな。
でもおもしろかった。
 
悲しいです。
ぼくが作った曲を、すげーいいじゃんか!って何度も何度もカセットテープを巻き戻してくれたこと、
踏切が渡れないような車高の低い車で、遅刻しそうなぼくを送り届けてくれたこと、
おまえがそう思うなら、俺は応援するぜ、カッコつけて言ってくれたこと、
だけどこの言葉だけは、いつも忘れなかった。
「マーボーだけだよ、頑張ってるのは
 他はみんな嘘っぱちだ、おまえだけは頑張ってる。」
 
 
しばらく逢っていなかったから、毎日の生活が変わるわけじゃない。
ときどき風に乗って届くくだらないうわさ話に、ぼくは笑いで返しておくだけ。
何かあれば携帯のアドレス帳で「コ」を呼び出すだけで、
すればいつ何どきでもこんなぼくを一瞬で感じてくれた。
それでも先輩がいなくなるのは、、、。
 
ぼくの数少ない大切な糸が、するりと抜けていくよう
ぼくを唯一認めてくれたぼくの大切な人
 
永遠に大切な先輩へ
ありがとうございました。
 
 
 
 
 
 
1607alongvacation
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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この6年間がもったいなく感じてしまうな。
ステキな曲を知ったとき、いつもその曲の誕生日を知りたくなる。
この曲、2010年に発売されたアルバムの中の一曲。
本当の誕生日はもちろんもっと前なのはわかっているけど、
6回の夏がもったいなくなるほどnice.
CDも買った。
エアコンの効いた部屋で指紋を気にしながらターンテーブルにレコードをのせるように、
パソコンじゃなく、きちんとCDプレイヤーにセットする。(べつにきちんとしてないか、)
車で聴くのもいいな、
少しだけ大きめの音量で。
1小節足りないんじゃない?と感じるほど軽快なシンコペーションで進めば、しぜんに体すべてがリズムになる。
今ごろ気づいて、ちょっと出遅れ感があるけど、
知れたことに感謝。
今年の夏の一曲にしよう。
 
 
 
triosence ft. sara gazarek / summer song
*音が出ます。
 
 
 
 
 
160608triosence
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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MAGNUM PHOTO

ロバートキャパを教えてくれたのは母だった。
幼いころ少しだけ戦争を経験した母の言葉のなかに、それの美しさは微塵も感じられなかった。
ただ母には、事実かどうかはまったく関係ないあの兵士の写真に心動かされるものを見たのだろう。
 
写真を撮るのが好きになったころマグナムを知った。
かなり前、写真好きでも有名な福山雅治さんのラジオでマグナムの話題が出たときはちょっと嬉しくて彼の音楽との共通点を感じられた気がした。これも気のせいかも。
 
世界の様々な都市で開催された展覧会が、日本に初めて来るというので行かずにはいられなかった。
 
感想は、ぼくの胸にしまいたく、
そして、見たかったphotoと共に涙が出そうだった。
 
 
 
  
 
 
 
 
magnum
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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となりの葡萄棚

 
葡萄狩りに行ったときのこと
葡萄棚の下での思い出、
 
房を摘むでなく、
粒を摘まもうとするぼくに手をさしのべてくれたあの人の手は暖かかった。
弟であるぼくの父への敬いを、幼き日のぼくはその伯母の手から感じ取った。
他人ではない兄弟というものがすべきことを教わり、離れる人でもの尊さを得た。
 
梓川を渡り、車の窓をあける、
外の温度が少し下がったのを感じたらそれを思い出した。
背が届かなかったあの葡萄の房に今ぼくの手は届くだろうか。
その敬いにぼくは届いているだろうか。
 
 
 
 
 
 
 
budo
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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49歳の記

 
はじめて眼鏡を作った。 老眼鏡。
 
息子と本気で喧嘩できるようになった。 反抗期はぼくかな。
 
ハイレゾで音楽を買い直そうと思った。 アンチエイジング。
 
スーツにスニーカースタイルが似合ってきたかと感じる。 気張らない。
 
筋トレがいい成績。 調子に乗らない。
 
 
先日49歳の誕生日を迎えて、
 
ぼくを取り巻く色がまた少し変わった気がした。
 
 
 
6/27 新しい事務所が2カ所オープンしました。
1つは   「‘ohana LOUNGE」
もう1つは 「表参道設計室」
 
ほんのちょっとずつだけど、
今より前に進みたい、
ちょっとだけだけど役に立っていたい、 
そして、ほんのちょっとでも私たちを必要としてくれたなら、、、
このオープンで皆が幸せになってくれたなら、、、
 
 
 
 
 
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2015新春

 
チェリストの溝口肇さんが出ていたとき、「世界の車窓から」のテーマソングには、
 
列車が走っているときに聞こえてくるサウンドがメロディーのバックにちりばめら
 
れていると聞いた。
 
確かめて聞いてみると、、、
 
すごい!!!
 
あの、旅に出たくなるような旋律があまりにも素敵すぎるからバックで鳴っている
 
この音が聞こえなかった。
 
 
いや違う、
 
うちのテレビから出てくる音があまりにもショボすぎて聞こえなかったんだ。。。
 
 
いや違う、
 
ぼくはこの手の話しは、チョー得意なのだから気づかぬわけがない。
 
ということは、、、
 
 
ちゃんと聞いていなかったんだ。
 
正直、この曲を知ってはいたけど、ちゃんと聞いてみたことはなかった。
 
 
 
始まりの旋律からは、発車のベルなのかそれとも警笛か
 
機関車の車輪音が心地いい
 
蒸気の吹き出す音なのか
 
線路の継ぎ目から響く歯切れのいいアクセント
 
車両をつないでいる連結器からの金属音も
 
サーッと列車が走り抜ける風の音まで聞こえてきそう。
 
 
 
 
そうか。
 
教わること、
 
知りたいと思うこと、
 
気づかぬものすべては、気を付けることにより自分に入ってくるのだ。
 
「気」を自分に「付ける」
 
そんなこと知っていたことなのに。
 
 
 
 
気を付けて聞くことにより「世界の車窓から」はぼくのものになる。
 
 
 
今年は今まで見ていなかったこと、聴くことのできなかったこと、知りたくても忙し
 
さにかまけておろそかになっていたことなど沢山を取り込んで行く。
 
今まで聴かなかった曲、好んで食べなかったもの、読んだことのない本、
 
ちょっと考えて、思い浮かべてみれば、どんどん出てくるし、ルーレットのように
 
出た目を追ってもいいと思ってる。
 
ある意味頑固、だけど羊のウールのような柔軟性が取り柄のぼくは今年、車窓から
 
やわらかな景色が見られる列車に乗り込みます。
 
 
 
 
 
新春
 
本年もどうぞ宜しくお願い致します。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
140105
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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Fragile

 
訪れる出来事にさからうことはできないのだろうか。
 
恐れの無い人間はいない。
 
「恐れを知らない人間」というのは比喩なのではないか。
 
失うことの怖さ、
 
人間のもろさ、
 
取り組んできたこと、築いてきたこと、将来の夢そのものを、すべて失う怖さを知った。
 
 
 
 
 
 
いつだろうか、お前とは「運命共同体」だと言ったよな。
 
 
 
ぼくにすべてを教えてくれて感謝だぜ。
 
すべてはもろく、すべては宝物であることを。
 
大切だと思う気持ちは家族と同じだったことの証。
 
そう、家族なんだ。
 
 
 
Fragile
 
すべてはもろく、すべては宝物なのだから。
 
Fragile
 
もろく壊れやすい物はとても美しい、
 
それはいつまでもいつまでもずっと美しい。
 
 
 
 
 
 
 
 
H
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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開演まで1時間半前、ちょっと早いけど行ってみよう…と思って入ってみたら、すでに満席に近いかも。
 
「ぅわっ!」
 
と声がでちゃったけど、ぼくは強運、
 
案内された席はローマの時と同じ、ちゃんとど真ん中に2席。 
 
ステレオでパンするアーティストじゃないから、そんなに気にしていなかったけどやっぱりセンターは
 
嬉しい。
 
 
コットンクラブの食事はとても好き。
 
ルッコラのピッツァ、マッシュルームのアヒージョ、それに炭酸水。
 
美味しいって言ってる間もなくペロリとたいらげ、小腹が落ち着く間もなくstart.
 
 
お気に入りは何曲目かな?とぼくの落ち着き無い仕草が伝わったのか、
 
安心しろよ、ほらっ!
 
って2曲目。あとはゆっくり楽しめ!って言われた感じ。
 
 
ぼくよりもずっと年上の人、ずっと年下の人、幅広い年齢層に支持をされているアーティストは多い。
 
今夜はギター弾きじゃなければここに来る人は少ないのでは。
 
ある意味ぼくはマニアック。
 
 
一瞬でまわりに居る人たちを虜にしてしまう魅力を持っている T,E.
 
でもぼくは Tommy と同じくらいステキな大人たちを目にした。
 
それはここで Tommy を楽しむ大人たち。
 
思い思いのスタイルなのに、笑顔だけはみんなお揃い
 
もしもぼくがちょっと窘めたなら… ナンテ酔ったふりをしてみたりして。
 
帰りの丸の内は、なんだかみんなが「ステキな大人」に見えた。
 
 
 
憧れは、ステキな大人
 
いや、いつまでもステキな大人になりたいと思い続けていることかもしれない。
 
そう、それが大人としてのぼくが一番大切にしなければならないことなのかもしれない。
 
 
 
 
 
 
 
suteki
 
 
 
 
 
 
 
 
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勇敢なことば。

 

 

母がぼくの顔を見るなり「御嶽山が噴火したって」と驚いた様子で教えてくれた。

 
 
 
「助けてあげられなかった。」
 
悲しい言葉だと思った。
 
命からがら戻って来られた方の言葉は悔しさでいっぱいだった。
 
現場でお亡くなりになった方々の中にも同じように、助けてあげられなかった、と
 
思いながら亡くなってしまった方も大勢いるのではないかと思った。
 
勇敢な言葉だと思った。
 
助けてあげられなかった、と思いながらこれからを生きるのはとても辛すぎる。
 
すべてが胸が張り裂けるくらい悲しい出来事。
 
 
 
うまく書けない、
 
いや、ぼくがこんな簡単に書いてはいけない出来事。
 
ご冥福をお祈りします。
 
 
 
 
 
yukan
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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実家の解体工事が始まったとき、
 
親父は自分の思い出を切り取るべく、壊されていく家へしきりにシャッターを押していた。
 
ぼくが生まれる前に暮らしていたころの思い出、ぼくたち子供と暮らした時間、
 
きっと親父はぼくたち家族を育ててくれたこの家へ、感謝の数だけシャッターを押したかったに違いない。
 
若かったぼくは、そのファインダーをのぞく親父のうしろ姿に、いつかの自分を重ね合わせて見ていた。
 
 
いつしかぼくは設計士になり、
 
この風景をたくさん目にすることになっていった。
 
お客さまの家で解体工事が始まると必ず思い出すこの光景。
 
お客さまは皆、同じ思いで今まで自分を育ててくれたこの家にお礼を言っているのだろう。
 
 
ぼくは忘れない。
 
あのとき父が見たファインダー越しの風景には、僕たち家族の笑顔が溢れていただろうと。
 
ぼくは一生忘れずに生きる。
 
お客さまにも皆、この素晴らしいモノクロームの思い出があることを。
 
そして皆、同じ思いなのを。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 panda2
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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