こんにちは、エムズ林です。
慣れないながらも頑張ってブログ更新していきますので、ごゆっくりご覧ください。
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エムズデザイン[住宅リフォーム・新築設計]-
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Category Archives: いい笑顔日記
クリスマスジャズナイト 2019
演目は
ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調 K,271
大好きな「ジェノム」
しばらく家族でコンサートに行ってなかった、っていうか、ぼく自身が全くコンサートに行ってなかった。
正直言うと、これすっごく観たい!っていうのが少なかったし、実は頻繁にチェックもしていなかった。
ぼくにとって、旅とコンサートは、チケットをゲットした瞬間にそれは始まっていて、
そこからガイドブックを調べたり、
お気に入りのCDを聞いたりして、それを心待ちにしながら予習をする。
そう過ごす時間はとても幸せで、
先週から我が家の食卓では、2006宮崎国際音楽での小曽根さん演奏のジェノムをNHKでやったときのビデオをずっとかけっぱなしにして家族みんなで盛り上がり、浸りまくっていた。
この演奏の小曽根さんはぼくにとって最高で、ジェノム&小曽根さんが素晴らしくて、その頃はまだ小さかった子供たちにもたくさん見せていた、というか聴かせていた。
今は大人になった娘は、「この時の小曽根さん楽しそう!モーツァルトが降りてきている感じね!」と言った。
ぼくは「うん、そうだね!」って応えた。
渋谷は若者の街っぽいが、ここオーチャードホールはとても大人な感じで、もちろんここの演目は大人向けなものがとても多い。
そんな大人の社交場は今夜、小さかった子供たちを大人にしてぼくに魅せつけた。
ぼくはオペラやバレエを観るとき、その会場にバルコニー席があれば、必ずそこを取る。
10年前に行った小曽根さんのコンサートは東京オペラシティ だったが、その時もバルコニー席で、
今回も4人並んで取れたので着いたとたんワクワクを共有できた。
そんなワクワクの中、ステージをのぞき込むとこれ、、、K271 の編成じゃない!!
ジャズメンバーが入るのは告知済みだったからわかっていたけど、明らかにこれ、フルオケじゃん?
そんな会話を子供たちとしながらの開演、
いつか観たいと思っていたK,271がやっと叶った。
あえて演奏内容は書かないけれど、モーツァルトへの思いをたっぷり持ってくださった演奏は、ぼくらに新しい小曽根さんを教えてくれた。
そしてそれを皆で話ながら、第1楽章のイントロを口ずさみながら、ちょっと大人の渋谷あとにした。
とてもいい1日だった。
初めてウチに相談をくださる方は皆少し緊張気味。
実は、当のぼくも全く同じで、多分スタッフも同じで、初めてのご相談者さまとの出逢いはとても緊張する。
ぼくは必ずファーストアポイントの前に初心に戻る儀式をする。
恥ずかしいからどんな儀式かは言わないが、
強いて言えば、五郎丸選手のあの感じかもしれない。
どんな家ができるのか?雰囲気や価格は?
商品を見ることで、見せられることで安心する人は多い。
しかし、
ぼくらの家は同じ物をつくっていないので、というか、同じ物はつくれないので、、、
言い方が難しいな、、、
相談者の方は当たり前だが、まったく同じ悩みや要望を持っている方は居ないので、
これまた当たり前だが、同じ物が設計されることはアリエナイ。
すべてはその方に合わせたオリジナルになる。
じゃあ、どのようにご理解をして頂くか?。。。
それはもちろん過去の施工事例であり、お客さまから頂いた大切なメッセージ集であり、もちろん日々の活動の記録としてのSNSはとても大事だろう。
でもね、
ぼくは、ご自身の感覚を大切にして頂きたいと思っている。
ぼく自身、自分の感覚をとても大切にしてるし、しようと思っている。
「出逢いはいつでも偶然の風の中〜 ♫ By 天までとどけ/さだまさし」
(ぼく大ファン)
いつも、出逢いの一歩目はドキドキするけど、なるべく自分の正直を露わにしようと努めている。
もしここで、化学反応が起きてお互いが惹かれ合う時間になったらそれはそれはおめでたい話で、
でもここで、ちょっと?を感じたら相手に感謝をしてお別れすればいいと思っている。
だからぼくは、押し売りをしない。
正直、化学反応が起きない仕事をしてまでお金に頓着をしていないし、
逆にその時間を、ぼくらを信頼をしてくださっている方々のために全力で愛を注ぎまくりたい。
天狗商売になることはぼくの性格上無いと言い切れる。
だからお互いのためを考えたらその方が幸せに決まってる。
きっとぼくは、信頼に信頼を重ねて、そこに愛を注ぎまくりたいのだとつくづく感じる。
そんな方たちと一緒の時間を過ごしたいのだとつくづく感じる。
今年も感無量の新しい出逢いが数々起こった。感謝
正直、至らぬ点はあるだろうけど、その方たちのご信頼を頂戴できたから。
ウチがつくり出す家は、ぼくらの過去の経歴とお客さまからのメッセージ、そして今日現在の日々の取り組みに表れているはず。
いま何も見えなくてもぼくらは必ず尽くす。すべてを信頼をしてもらいたいと思ってる。
そこへ行くため、天までとどくため、この信頼の構築を日々熟成させながら今日も生きていく。
中学生のとき、母親に買ってもらったシングル盤。
アルペジオで弾けるようになりたかった素敵な曲
*youtubeに飛び音が出ます。
素敵に感じるホテルがぼくにはたくさんあります。
都度都度感じることを日記のように書き記したいけど、、、
生涯忘れることは無いであろう、エントランスのバレーパーキングでの超一流な対応や、夜のプールサイドでの出逢い、レストランでお気に入りのシートに座らせてもらう魔法の言葉 etc etc…
書きたいことは、いや、
忘れたくないことがたくさんあります。
今日は少しだけ「ハレクラニ」を書きます。
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ここ、
朝、昼、晩、どの時間が一番好き?と聞かれたらサイコーに困るここでのステイは、いつものホテルライフとまったく違った過ごし方をしたい。
様々な表情を見せてくれるホテルはたくさん!そして
ハワイには行きたいところがたくさん!だけど、それより何より、ここでのステイはこの空気を味わいたいんだ、せめて数日、ここに居るときにはね。
ぼくだけかもしれないが、
ハレクラニには、ここにしかないHAWAIIを感じさせてくれる表情がたくさんある。
今日はその中のお気に入りを一つを記そう。
ここでぼくがとても楽しみにしていること、
それは、
昼下がりから夕方にかけて、
陽がまだ高いうちにこの部屋に戻ってくること。
なぜか。
ここでぼくが好んでbookする部屋には、窓ガラスの内側に、木製のルーバー式引き戸がついている。
これは、日中、窓から差し込む強い陽差しを和らげ、夜はプライバシーを守るためにあるのだが、ぼくはこのルーバー引き戸にこのブランドのホスピタリティを思い切り感じるのだ。
ただ単にルーバー引き戸があることがホスピタリティという事では全くなく、、、ではどういうことかというと、
このルーバー式引き戸の羽の部分は、可動式になっていて羽の角度が調整できる、、、
え?可動式だからいいの?と思われそうだが、そういう事でもない。
この日ぼくがここに到着しチェックインしたのはPM9過ぎだったのだが、その時このルーバーはすべて閉じていた。
当たり前だよね、夜だから。
しかし昼下がりから夕方にかけての時間にこの部屋に戻ってくると、ルームキーピングに来てくれた方が、このルーバーを操作しておいてくれる。
どのように操作してくれるのかというと、このルーバーを少しだけ開いておいてくれるんだ。
少しだけ開くことで、そこに隙間をつくることで、強い陽差しとルーバーの影がそれはそれは美しい縞模様になって部屋中を飾ってくれるのだ。
すべての引き戸の、ルーバーの角度をぴったり合わせていくから、そこからこぼれる陽差しと影に淑やかさを感じるほどに。
これに穏やかな波の音がプラスされ、鳥さえも囀る。
それは言葉で言い表せないほど美しく、ここHAWAIIに似合う、ここハレクラニでしか味わうことができない本当に素敵なワンシーンなんだ。
ぼくはこのコントラストの美しさに身体中の力を抜かれ、そのままベッドに横たわる。
そしてルーバーの隙間から差し込むキラキラの眩しい太陽に目を細めていたら、いつの間にか眠りに落ちてしまうんだ。
つかの間の美しい時間、
いや、眠ってしまったから一瞬だったな。
この部屋でしか見ることのできない映画のようなシーン。
その映画の主人公にしてくれるハレクラニは、いつもここはぼくの部屋だと錯覚させてくれる。
素晴らしい時間だったな。
ぼくは必ずまたここに来る。
穏やかな風を感じ、波の音を聞きながら眠れるこの部屋に。
Mahalo Halekulani
*youtubeに飛び音が出ます。
静かな人だったな、
そして良くご自身を知っていらっしゃった。
期待に応えよう!と自らを完成形と思われていたのではなく、いつも
期待に応えたい!と自らの未完成さをひとり言で自分自身に注意しながら働いてくださった。
ぼくはその独り言を聞こえないふりしてちょっと大きめの声で挨拶をすると、そそくさと脚立から飛び降りて深々とお辞儀してご挨拶をくださった。
仕上げ工事中という静かな現場の中には、彼自身がまだ許せぬ仕上がりなのか、さらなる上の仕上がりを求めてくださっているのかはわかならいが、またぶつぶつぶつと静かなる呟きが聞こえていた。
何年も前、ぼくらは年末に「ありがとう会」という忘年会のようなことをしていた。
大人しそうな彼は、この日だけは羽目を外してくれて、うちの女子や来てくれたみんなを笑わせてくれた。それも爆笑で。楽しかったな。
ぼくと目が合って、ちょっとだけ照れくさそうにしてたのは、お酒のちからをちょっとだけ借りましたよ!って言いたかったんでしょ。
こちらとしてはありがたいよ。
美しい仕上げを求めて、伝統ある日本の文化を継承する経師屋、表具屋という仕事は、今のクロス屋さんとは少し違った趣がある気がする。
ぼくらからお願いするのはもっぱら壁紙のクロス仕事だったけど、プライドを持った仕事はその仕上げにいつも現れていて、それはリスペクトと感謝だった。
とても静かで優しい人だったな。
ここを去るときも静かに優しく去られたのではないかな。
ぼくは、ぼくらを助けてくださった人の恩を絶対に忘れない。
いつまでも感謝し続けて、またあの世で会ったときに、
あの時はありがとうございました!って明るく挨拶しよう。
最高の技術と最高の人間は永遠に。
心よりお礼とご冥福をお祈り申し上げます。
ありがとうございました。
目指しているのはどんなこと?って聞かれた。
「心豊かに暮らしてほしい」って言った。
心豊かに、
それは、何もかもが思い通りにいってるわけではないけど、
それでも日々幸せを感じ、少しだけ笑顔があって、
それは例え自分一人だけでも心豊かに生きている、と感じられたら。
世の中のスピードは誰もが本当に速さを感じているだろうけど、
もちろん、そのスピードに合わせなくちゃならないことも沢山あるだろうけど、
ちょっとだけ、自分に与えるというか、許すというか、認めることで、心豊かにを感じることができたら。。。
少しずつしか進まない。
だから、少しずつでも、、、
もしそれがぼくにできるとすれば、
もし「心豊かに」が伝わるなら、
その時はゆっくりと話しを聞きたい。
欲しい未来の話しを聞きたい。
わからないことはその筋の専門家にお願いするというその方のスタンスは、ご自身が人の生命に関わる専門的なお仕事に就かれているからこそなのかもしれない。
1度目のご依頼は7年前。
その時のご希望は、とある国のある雰囲気がお好きと語られた。
しかし希望はそれのみ。
そのあとは「すべてお任せで…」の一言。
ありがたい。
ぼくは、キッチンに立たれたときにリビングで過ごす子供たちがどう見えるか、子供たちまでの動線やパントリーへの歩数、それに面積比率、、、etc.
ベッドルームでは部屋の一部を書斎化したホテルのスイートルームを見習うレイアウトなど、あの国の5つ星ホテルを感じられるよう、質感や照明配置、そしてカラーバランスを整えた。
おかげさまで、完成後はとても気に入ってくださって、7年経った今でも、昨日完成しました!と言っても良いほど美しく使って頂いている。
2度目のご依頼は、ご子息の、小学生ご入学のための机づくり。
本物を使う、というぼくのコンセプトに賛同してくださって、ウォールナットの無垢材で学習机をつくった。これは一生物。
そして3度目の一昨年、
「せっかくの一軒家、前回手つけずだったお庭づくりを…」とご依頼。
子供が小さいうちに、なるべく色々なことを家族みんなで楽しむ時間をつくりたい、というご希望に、いくつかのアイデアをご提案した。
メインは、ウッドデッキ&駐車位置の整備。
ご提案のイメージは前回と同じく使用材料の質感を重視しながら、そのデザインから豊かな暮らしを感じられるようにし、インテリアのグレード感とのマッチングを第一に考えた。
今回使用したウッドデッキ材は、材木にうるさい “とある筋” から取り寄せた上質のもの。
図面には、ウッドデッキの設計図にしてはかなり詳細まで施工指示を書き込んで、植栽のグリーンとの調和が美しくなるようデザインにした。
他には、駐車スペース、および門柱とゲートの位置を変更して、奥さまが容易に運転できるようにね。
極めつけは、お兄ちゃん専用のバスケットボールゴール。
5歳になる娘ちゃんが、立派になったお兄ちゃんと一緒に安全に、かつ近所迷惑にならないように遊べる場所を確保した。
これで完成!
そして、4度目の今回は、
来年一年生になるご息女のお部屋を、、、
見えているのだ。
明らかに見えている。
ご自分の子供たちには何が必要で、その時代に必要な事柄をかなり遠くから見つめていらっしゃるとしか思えない。
遠くにあった未来は現在(いま)になり、
この先の遠い未来を見据えることでその時が訪れたらすぐに対応できるよう前もって準備をしておられるのだ。
今回お便りをいただいたとき、ぼくはこの依頼をご夫婦で話し合いされている姿がはっきりと目に浮かんだ。
ご自身の未来、愛する子供への思いと共に、それは、欲しい未来にいま何をすべきなのかということなのだろうか。
将来欲しいことを明確にイメージし、瞼をこすってそこを見る。
そしてそこに見えた姿は、確実に得られることなのではないだろうか。
家族皆で食事をしたあと娘が、
「なんとかマキアートつくったけど飲む?」と誘ってくれた。
それとともに、棚の上にあった頂き物の美味しそうなお菓子がテーブルにならび、その、なんとかマキアートが届いたときぼくはキャンドルに火を灯した。
それならとばかり、お部屋の灯りを暗くしてみたら、
いつものリビングがちょっとだけ洗練された場所に感じてきて、
キャンドルを囲む時間の中に、いつも当たり前に居る家族とは違うものが見えた。
そう、それは思い違いでも、かげろうでもない。
明るいときには見えないものがキャンドルの薄灯りにあぶり出されるように現れ揺れた。
とても近しい家族でも届かないことが沢山ある。
相手の気持ちを感じながら、自分を話し始めるのは近しいからこそ照れくささや恥ずかしさがあるのも事実。
しかしそれは、もしかしたら、灯りを暗くすることで、こぼすことができるのかもしれない。
心少し動き、小さな炎のゆれる灯りの向こうにだけ、本当が語れるのかもしれない。
その夜、リビングライトが再び灯くことはなかった。
一通り嗜んで、皆が立ち上がったあと、ぼくはキャンドルの灯りを、ふっ、と消してその日が終わった。
建築工事が終わるとお便りやご感想文を頂戴する。
もちろんぼくたちの方から「お便りください」とお願いするのがほとんどだが、終わりを待ち構えるようにお客さま自らが筆をとってくださることも多々。
それはきっと、ご自身が家づくりという大舞台を終え、プロローグから長い期間をご一緒させて頂いた暁に記しとしてくれるのだろうと、とてもありがたく。
このご感想文を私たちは「お客さまの声」と名付け、そのお客さまとの思い出として笑顔になったり反省をしたり、ときには元気をもらい励まされたりするものとして大切にしている。
むかーし昔、あるお客さまとの会話で、
「あの、お客さまが書いた感想文はホンモノなのか、」という問いを頂いたことがある。
そのときぼくは正直、
『あれを疑う人っているんだ…』と思った。
でもすぐに、
『あれだけぼくら親しみを込めて書いてくださっているんだから、そりゃそうだよな、』とも思った。
そんな出来事の後、今まで頂いたお客さまの声をすべて革製のバインダーに大切に綴じて保管をし、
それから間もなく完成写真とともにHPに記載し、ぼくらを知って頂くためのツールとしての活用をするようになった。
そうすると今度はほかのお客さまから、
「載ってる感想文はほとんど読みました。とても参考になりました!ほとんどの方が読んでるんじゃないかな?」という言葉をもらった。
そして、
「こんなにいい感想文があるんだから、もっとアピールしたほうがいいよ!」とも言われた。
嬉しかった。これは自慢だよなと思った。
ぼくは時折このバインダーをめくることがある。
すると、あの時のお客さまの笑顔、その情景、その時間が思い出され目に浮かぶ。
日付をみれば20年前のものから、こだわって設計した部分、職人との会話、そしてご家族の笑顔が昨日のことのように思い出される。
今はそのお客さまの声は数かぞえ切れないほどになり、革製のバインダーじゃなくなっちゃったけど何冊もの宝物になり、
よく笑い話で、
「大地震が起きたらぼくはこのバインダーを全部持って逃げる!」というくらい大切なものになった。
ぼくは若き日に、人として、建築のプロとして、一生涯をこの道に捧げることとした。
その時まで全く見ず知らずの人を、この出逢いによって<家族=オハナ>として向かい入れ、
一生お付き合いさせて頂くと決めた人生の証がここにある。
正直、信頼、約束、
ぼくたちの証こそが、ここには詰まっている。
思い描いたものは現実になると信じている。
大人のくせに、、、笑。
けど、何度もそれを経験したからな。
昔から何度も言っているが、
ぼくは見たい景色がある時にはそっと目を瞑る。
目を瞑って、鼻の穴を大きく広げてゆ〜っくり深呼吸する。
酸素が脳に届き渡るような感覚をイメージして身体のちからを抜きながら姿勢を正す。
ぼくは、設計のアイデアもこうして生み出す。
依頼者の笑顔を思い浮かべ、その家族が最高にハッピーな姿を思い浮かべ、そこからその方の未来を描いてみる。
すると、、、
そう言っておきながら、
思い描いたものと違った現実が突きつけられたことが何度もある。アタリマエだけど。
いや、どちらかというと、その方が多いし。
だが、本当の現実は、実はそちらを思い描いていたのかもしれないと気付くことも少なくない。
人が持つ、裏側にある欲求や、本音と建て前、深層心理は、その時の自分、もしくはその時の自分の行動を正当化させることでその道があっていたという結果がほしいのかもしれない。
ぼくはそんなに複雑な人間じゃないから、自分をもっと単純に見ている。
だから、単純が故、自分に見えたものは現実になっちゃうんじゃないかと思っている。